過酷な走行状態を続けてきたチューニングカーの足回りで注意したいのがこの2つの言葉です。「へたり」と「抜け」。
「へたり」はサスペンションの中心的な部品となるスプリングとサスペンションアームの結合部につけられているブッシュに該当します。
ノーマルのスプリングでも車高調のスプリングでも言えることなのですが、スプリングは鉄をコイル状にしたもので長い間、荷がかかっている状態になっていると自然とつぶれていきます。
これがスプリングのへたりというもので、装着している期間が長ければ長いほど顕著に出ます。古い車で新車の状態と比べて車高が低くなっていることがありますがそれがまさにこの状態なのです。
スプリングは決まったストローク量で性能を発揮するように作られているので許容範囲を超えたへたりは禁物です。
ブッシュはノーマルや軽いチューニングレベルであればゴム製、ハードなチューニングではブッシュではなく、ピロボールというものが使われています。
ゴム製のものは時間的な劣化によって硬化し性能を発揮できなくなりますし、ピロボールはガタが出てフルに性能を発揮することができなくなります。
「抜け」はショックアブソーバーの中にあるバルブやシーリングが劣化によってその機能を果たすことができなくなった状態で、ショックアブソーバーとしての機能を果たさなくなった状態を言います。
これら「へたり」や「抜け」の状態は軽度のものであれば、ほとんど気が付くことはなく、このまま査定に出してもマイナス要素とはなりませんが、重度のものとなると見た目的にも乗り心地でもすぐに判断できるようになってしまうので、ここまでなる前にきちっと交換するところは交換しておきましょう。
スプリングやショックアブソーバーは査定前にノーマルの戻すという事もできますが、ブッシュを交換するのはかなり手間がかかるので、なかなか交換まではいかないものです。
ブッシュのへたりは音によって発見することができるので、査定の時でも簡単に見つけられてしまうでしょう。